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アドリアン・ユストゥスについて

黒沼 ユリ子
   
日本では未だ無名に近い存在にもかかわらず、名実共に今日のメキシコを代表するヴァイオリニストである アドリアン・ユストゥスのことを私は「歌うヴィルトゥオーゾ」と呼んでいます。

それは<あたかも機械のような完璧なテクニックを持つ>と賞されるヴァイオリニストたちが次々と世界に 出現する今日、しかしその演奏には、どこか自然に人間の心からほとばしり出るような「歌」が不足しているように、私にはしばしば感じられるからなのです。

アドリアンの音楽には常にまるで「こんなに素晴らしい作品だと知ってましたか?」と問いかけられているかのように、演奏する側の大きな歓びがあります。 そこに、その曲と彼との見事なアイデンティ ティーが結ばれ、それに裏付けされた「歌」が生まれるのではないでしょうか。
   
親族をナチの強制収容所で亡くしたハンガリー人の祖父母がメキシコに亡命。 祖父、両親ともに 医師の一家で、自らもヴァイオリンを弾く大のアマチュア音楽家たち。 空気と音楽が共存していた家庭に生まれ育ったアドリアンが音楽芸術に一生を捧げる決意をしたのは当然とも思えますが、才能は努力という栄養なしでは育たないもの。彼の音楽に対する深い愛情と作曲家たちへの尊敬 の念とヴァイオリンという楽器への誠意と真剣さ、それにたゆまぬ修練の結果が「歌うヴィルトゥオ ーゾ」としてここにあるのだと思います

1985年にアカデミア・ユリコ・クロヌマの生徒代表の一人として初来日。日本という完全なる異文化の中でサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」をオーケストラ伴奏で演奏した時に直感した聴衆との絶妙なるコミュニケーションのパワーに感激し、それがヴァイオリニストを目指す決意につながったと語ることを憚らない彼なので、仮に<日本で生まれたヴァイオリニスト>と呼んでも嘘にはならないのかも知れません。そして「自分がヴァイオリンを弾いて、人々を幸せにすることが神から与えられたミッション(使命)なのだ」と信じて疑わないアドリアンの演奏からは、常に聴く者に生きる歓びの種が振り撒かれているように感じられるのは、私ただ独りではないと確信しています。

「シェリングの再来」とも評されるアドリアン・ユストゥスの今後の活躍を期待し、彼の芸術の熟成を 見届けたいと、
楽しみに希っている次第です。
  ※ CD 「ラ・カンパネラ ◎ アドリアン・ユストゥス ヴァイオリン リサイタル」ライナーノーツより

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